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業務効率化 HubSpot マーケティング

HubSpotのパイプラインとは?営業プロセスを可視化して成約率を上げる方法を徹底解説

桂 爽淳
桂 爽淳 |

「営業担当者によって報告の粒度がバラバラで、案件の全体像が把握できない…」

「月末になって、想定していた売上見込みと大きな乖離が出てしまった…」

「どの案件を優先すべきか、的確な指示が出せずに歯がゆい思いをしている…」

中小企業の経営者や経営企画の担当者の皆様、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。営業活動の属人化やブラックボックス化は、機会損失や成長の鈍化に直結する深刻な課題です。

もし、チーム全体の営業活動がリアルタイムで可視化され、データに基づいて的確な次の一手を打てるとしたら、貴社のビジネスは大きく飛躍するかもしれません。

この記事では、世界で多くの企業に導入されているCRMプラットフォーム「HubSpot」の「パイプライン」機能に焦点を当て、その基本的な概念から、売上を最大化するための具体的な活用術までを、初心者の方にも分かりやすく解説します。

この記事を最後まで読めば、貴社の営業チームが抱える課題を解決し、成約率を向上させるための具体的なヒントが得られるはずです。

 

HubSpotのパイプラインとは?~曖昧な営業活動を可視化する「地図」~

 

HubSpotのパイプラインとは、一言でいえば「商談(ディール)が始まってから受注または失注に至るまでの営業プロセスを、段階ごとに可視化したもの」です。

多くの企業では、営業プロセスが以下のような段階(ステージ)に分かれています。

  1. アポイント獲得

  2. 初回ヒアリング

  3. 提案・デモンストレーション

  4. 見積提出

  5. クロージング

パイプラインは、これらの各ステージに今どれくらいの案件が存在し、それぞれがどの段階にあるのかを、まるでボードゲームのコマを進めるかのように直感的に管理できるツールです。

 

なぜ、パイプライン管理が重要なのでしょうか?

それは、営業活動における「なんとなく」を排除できるからです。

  • 属人化の防止: 優秀な営業担当者の頭の中にしかなかった案件の進捗状況やノウハウが、チーム全体で共有されるようになります。

  • 機会損失の削減: 長期間放置されている案件や、特定のステージで滞留している案件を一目で発見し、適切なフォローを促すことで、取りこぼしを防ぎます。

  • 正確な売上予測: 各ステージの過去の受注率をデータとして蓄積することで、「今、提案ステージにある案件が1000万円分だから、今月の売上見込みは500万円だな」といった、勘に頼らない精度の高い売上予測が可能になります。

パイプラインは、単なる進捗管理ツールではありません。データに基づいた科学的な営業戦略を立案するための、強力な「地図」なのです。

 

HubSpotパイプラインの基本的な使い方と3つのメリット

 

「便利そうだけど、設定や操作が難しいのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、HubSpotのパイプラインは非常にシンプルで、直感的に操作できるように設計されています。

基本的な使い方は以下の通りです。

  1. ディール(案件)の作成: 新しい商談が発生したら、顧客情報、商談金額、担当者などを入力して「ディール」を作成します。

  2. ステージの移動: 商談が進展するにつれて、該当するディールを次のステージへドラッグ&ドロップで移動させます。

  3. 情報の記録: 各ディールには、顧客とのやり取りや次のアクションなどを時系列で簡単に記録できます。これにより、担当者が変わってもスムーズな引き継ぎが可能です。

このシンプルな操作で、以下のような大きなメリットを得ることができます。

メリット1:営業進捗のリアルタイム共有 マネージャーは、チーム全体のパイプラインを見るだけで、誰がどの案件をどのように進めているかを瞬時に把握できます。これにより、週次報告のためだけの会議を削減し、より生産的な業務に時間を割けるようになります。

メリット2:ボトルネックの特定と改善 「ヒアリングから提案に進む確率が低い」「特定の商品だけクロージングのステージで停滞しがち」といった、営業プロセス上のボトルネックがデータとして明確になります。原因を分析し、提案資料を改善したり、営業トークを標準化したりといった具体的な改善策に繋げることができます。

メリット3:データに基づいた的確な営業戦略 パイプラインに蓄積されたデータは、経営判断の強力な武器となります。担当者別、製品別、流入経路別などでパイプラインを分析すれば、「どの担当者がどのプロセスで躓きやすいか」「どの製品が特定の顧客層に響いているか」といったインサイトが得られ、より効果的なリソース配分や戦略立案に役立ちます。

 

【実践編】中小企業の売上を最大化するパイプライン活用術

 

基本的な使い方をマスターしたら、さらに一歩進んだ活用法でパイプラインの効果を最大化しましょう。ここでは、弊社(T3)がお客様をご支援する中で特に効果が高いと感じる、3つの実践的な活用術をご紹介します。

1. 自社の営業プロセスに合わせた「ステージ」のカスタマイズ HubSpotのパイプラインは、デフォルトのステージ設定だけでなく、自社のビジネスモデルに合わせて自由にカスタマイズが可能です。

例えば、

  • BtoBのSaaS企業であれば、「無料トライアル期間中」「導入支援フェーズ」といったステージを追加する。

  • 不動産業であれば、「物件内覧」「ローン審査中」といった独自のステージを設定する。

このように自社の実態に合わせてステージを設計することで、より精度の高い進捗管理と分析が実現します。

2. 「レポート機能」を活用したパフォーマンス分析 HubSpotのレポート機能を使えば、パイプラインのデータを様々な角度から分析できます。

  • ディール目標達成率レポート: チームや個人の売上目標に対する進捗を可視化。モチベーション向上にも繋がります。

  • ステージ別ディール滞在時間レポート: 各ステージで案件が平均して何日間滞在しているかを分析。滞在時間が長いステージは、プロセスに何らかの問題を抱えている可能性があり、改善のヒントになります。

これらのレポートを定期的に確認し、チームで共有することで、データに基づいた改善サイクルを回す文化が醸成されます。

3. 「自動化(ワークフロー)」で手作業を削減 HubSpotの強みである「自動化」とパイプラインを連携させることで、営業活動を大幅に効率化できます。

  • 例1: ディールが「見積提出」ステージに移動したら、担当者に「2日後にフォローアップする」というタスクを自動で作成する。

  • 例2: ディールが「失注」になったら、その理由を選択するフォームを自動で担当者に送り、失注分析のデータを蓄積する。

このような自動化は、単純作業から営業担当者を解放し、顧客との対話という本来注力すべき業務に集中させてくれます。

 

まとめ

 

今回は、HubSpotのパイプライン機能について解説しました。

  • パイプラインは、営業プロセスを可視化し、属人化を防ぐ「地図」である。

  • 直感的な操作で、進捗共有の効率化やボトルネックの特定が可能になる。

  • 自社に合わせてカスタマイズし、レポートや自動化と連携させることで、売上を最大化できる。

営業活動の「なんとなく」をなくし、データという羅針盤を手に入れることで、貴社のビジネスは着実に成長軌道に乗るはずです。

まずは、現在の営業プロセスを一度紙に書き出し、どのような「ステージ」に分けられるかをチームで話し合ってみてはいかがでしょうか。

「自社に最適なパイプラインの設計が難しい」「HubSpotを導入したいが、どこから手をつければいいか分からない」 もし、そうお感じでしたら、ぜひ一度、弊社T3にご相談ください。弊社はHubSpotの専門家として、数々の中小企業の営業課題を解決してきた実績があります。貴社のビジネスに最適なパイプラインの設計から導入、そして成果に繋がる活用まで、責任を持ってサポートいたします。

下記のミーティングリンクより、お気軽にご連絡ください。

 

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